土壌調査インベントリーフォーラムでは2014年4月15日(火)に東京九段下の科学技術館にて「人と土の新しい関係を探る -国際土壌年2015に向けて-」と題した国際ワークショップを開催しました。
私 たちの生活に欠かせない土(土壌)、水、大気は公共財と言われ、その資源的価値から、国や自治体、地域のコミュニティなどが保全のためのルールを設けてき ました。しかし、土(土壌)については汚染の防止や対策に関するルールは整備されてきたものの、環境資源としてその保全を謳った枠組みは、我が国にはまだ 存在しません。そのため国土のグランドデザインにおいても、土壌資源の利活用と持続的に保全するという考え方が乏しい状況にあるのではないでしょうか。
身 近な故に忘れがちな存在である土(土壌)について、国連は、来る2015年を国際土壌年と定め、土壌への社会的関心を高めようとしています。我々はこの機 会に、21世紀の人-土壌の関係の新展開を考えてみる時期にきていると思います。今回のワークショップの目的は,以下のとおりです。
1. 土と社会との関係のあらたな枠組みについて、既存の研究分野を超えて考える。
2. 土壌保全のための包括的枠組みの構築に向けた議論を行う。
3. 2015年国際土壌年に向け,われわれにできる行動は何かについて意見交換を行う。
本ワークショップでは,まず5人の方々から話題提供をいただいた後,総合討論を行いました。
※ 当日スケジュール
- 身近に感じてもらいたい土壌調査
― 大倉利明(農業環境技術研究所) - 都市の土壌とどう付き合うか
― 外崎公知(都市緑化機構) - 環境倫理と風〈土〉
― 亀山純生(元東京農工大学) - FAO地球土壌パートナーシップの紹介と日本への期待
― Ronald Vargas(国連食糧農業機構:FAO) - ニュージーランドの土壌保全への取り組み
― Vincent E. Neall(Massey大学、ニュージーランド) - 総合討論
― 浜田竜之介(元東京農工大学)